キィオイルについて、もう一度考えてみましょう
キィオイルは楽器屋などで市販されており、お手入れ用品として扱われていると思います。(ネットなど、色々な所でも、お手入れ用品として使用を薦められています。)
そのためでしょうか、木管楽器の方から度々いただくご質問に、「キィオイルはどうすれば良いでしょうか?」というものがあります。
しかし私は、皆さんにキィオイルのご使用をオススメしていません。皆さんのご使用に関しては、メリットよりもデメリットの方が多いと思います。
メリットについて
一旦キィの雑音を消す事が出来る。
ご自身でオイルを差す事が出来る。
デメリットについて
キィオイルだと消音は長持ちしません。乾燥が早く、すぐに雑音がでます。粘度が低い為です。
それどころか、雑音が消えない事があります。これも粘度の低さが原因です。
と言っても、粘度の高い物を皆さんが差すと、逆にキィの隙間に上手く染みこまないでしょう。
またキィオイルは、
丁寧な後処理(隅々まで拭き取り)!
適量(たくさん差しすぎない)!
等の注意が必要です。
拭き取り方や差した量次第ですが、コルクやフェルトをダメにしてしまう場合もあります。
(余分なオイルや、キレイに拭き取れていなかったオイルが流れていってしまうのです。実際過去に、コルク、フェルト等がダメになった楽器を見た事があります。調整がやり直しになり、余計な出費になってしまいますよ!)
また、雑音の原因はオイル以外の所にあるのに、自分判断で差しすぎて、結局直らず悪化させる事もあります(これでもコルク・フェルト等はダメになります...。)。
オイルは万能ではありません。修理が必要な場合もあります。
オイル類はリペアマンにお任せ下さい!
以上の様に、キィオイルの使用によって、楽器が悪くなる事もあります。
そのため私はいつも、「オイルは調整に出す時にお任せ下さい。」とお答えします。
私の場合は各部所のキィにあった物(グリス、ジェル、オイル、色々)を使って、長持ちするように考えています。(環境によって変わりますが、半年〜1年は最低もつようにしています。調整は1年に最低1回必要になってきます。皆さんがオイルを差さなくても、リペアマンにお任せ頂ければ大丈夫です!)
多分、それぞれのリペアマンの方も長持ちするように工夫されているはずです。間違った場所にオイルを差してしまうと(グリスを差してある部分などにオイルを差してしまうなどすると)、長持ちするものも、しなくなる可能性があります。
今回のお話は、今までのネットの情報とはちょっと違うかも知れませんが、
リペアマン目線で、楽器が良好な状態で長持ちさせる為の情報だと思います!
最後に
これからはキィオイルを差すのは控えていただければと思います。そしてキィの雑音が気になるようなら、お近くのリペアマン、または私にお問い合わせ下さい。
サックスやクラリネット 等(木管楽器)を演奏していて、カチャカチャいう事はありませんか?チェックしてみましょう!