管楽器のお医者さん〜松田工房〜

管楽器のメンテナンスやリペアに関する情報を、リペアマン目線でお話していきます!

マウスピースの水洗い: 衛生面でも、音楽面でも

木管楽器(サックス、クラリネット)のマウスピースですが、たまには水洗いをすると良いと思います。

 

多くの方がスワブを通すだけではないでしょうか?たまにマウスピースが消耗するのが早くなるという事で、あまりスワブも通されていない方もいらっしゃると思います。しかし、このご時世なので、衛生的な事も考えても良いかなと思います。また、垢、ゴミが付着する事によって、音にも影響があるはずです。(これからは今まで以上に、マウスピースは「消耗品」と考える必要があるかも知れませんね。)

 

洗浄ですが、マウスピースの外側は優しく手で洗って下さい。マウスピースにこびりついた白いカスは水にふやかした上で、優しく親指の柔らかい部分で洗ってとってあげて下さい。堅そうなカスも水にふやかすと案外とれますよ。カスが柔らかくふやけてから、優しくとって下さい。くれぐれも無理はダメです!

内側は綿棒を使いながら優しく洗って下さい。そんなに汚れていない時は、水で流した後に、優しくスワブを通すくらいでも良いかも知れません。それくらい内側は特に気をつけて優しく洗って下さい。

クラリネット のマウスピースの場合はコルクの部分もあるので、コルク部分には水をつけないようにしてあげて下さい。(もしついてしまっても拭き取れば大丈夫です。ビシャビシャ洗わなければ大丈夫!)

 

マウスピースの掃除は本当に優しく丁寧にやってあげて下さい。特に先端の方を傷つけたり欠けたりすると、音にすごく影響があります。気をつけて洗って下さい!

 

写真は洗う前と洗った後の写真です。

先端近くの白いものが取れているのがお分かりになるでしょうか?これは水洗いで優しく指で洗っただけです。カリカリと削ったりしていません。

 

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洗浄前

 

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洗浄後

 

あと、マウスピースパッチを貼り付けている方は多いと思いますが、ここの部分や周辺に特に汚れがたまっていると思います。洗っても取れない場合は諦めて、早めに交換しましょう。その方が衛生的です。(マウスピースパッチは音にも結構影響してきます!薄さによって音や吹奏感など変わってきますよ。色々なマウスピースパッチを試してお気に入りの音を探すのも良いかも知れません。)

 

さて、ここで注意点ですが、マウスピースの変色についてです。エボナイトのマウスピースはお湯で洗うと変色してしまいます。もちろん、常温の水でも変色することはあります。見た目が変わる可能性があるので、どうしてもそれが許せない方には、オススメとは言えないかも知れません(-_-;)

 

しかし、写真のように、あきらかにキレイ(清潔)にはなります。これからは、衛生面は大切になってきますよ!