今回はクラリネット のキィの変色についてです。
クラリネット の修理をお待ちになった方で非常に多いのですが、部分的にキィが黒く変色してしまっています。
写真の赤の部分が特に黒くなっている事が多いです。
原因は、何でしょう?
皆さんの中にも経験された方は多いかも知れません。キィの変色は、楽器を購入して間も無い方や、マウスピースを購入して間も無い方に多いです。ケースの中のマウスピース付近のキィがどんどん黒く変色していきます。他のキィはキレイなのにどうして一部分だけ黒くなるんだろう?と思われていた方も多いかも知れません。原因はマウスピースです!(赤の部分の中央にはマウスピースがありますね!)
皆さんがよくご使用になっているマウスピースには硫黄の成分が含まれており、キィの銀(メッキ)が硫黄に反応して、黒くなってしまうのです。
一定期間経てば硫黄がマウスピースから抜けて、キィも黒くならないとは聞きます(半年〜1年?)。しかし、一定期間経ったものでも黒くなった楽器を見た事もあります(2年くらいだったと思います。)。半年ぐらい経てば大丈夫という説は、あまり同意出来ません…。
対策は?
これからはマウスピースは楽器とは別に保管、持ち運ぶと良いと思います。その際は、マウスピースポーチの中に入れておくなどして、しっかり保護して下さいね。(マウスピースは本当にデリケートで大切な物です!)
キィの研磨について
黒くなってしまったキィですが、磨くのは我慢しましょう。黒くなったからといって、磨いてばかりいると、銀メッキが薄くなります(海外のメーカーは特に要注意です。国内の楽器より薄めなので、磨きには注意です。)。
黒くなってしまった場合は、次回調整に出される時に軽く磨きも依頼されると良いと思います。リペアマンは限界を知っていると思いますし、その方が安心だと思います。また、「調整に出す時しか磨かない」と決めておけば、そんなに銀メッキが薄くなる事も無いでしょう。
多くの方に
クラリネット のキィの変色とマウスピースの件は、本当に多くの方がお悩みではないかなと思います(それほど、たくさんの黒くなったキィを見てきました。そして、原因が分からなかった方が多数でした。)。
クラリネットを吹く方に、この情報が早く広く浸透すればなと思います。皆さんの楽器の為にも。